2018年の昭和漫画館 青虫は、8/3より開館(2018年の開館期間は8/3(金)〜10/28(日))しました。8/16に行われた河井継之助墓前祭に出席するために只見に行ったので、その前日に訪問してきました。以前、何度か近くを通ったときは(ホームページを見ていなかったのもあって)閉館中でして、今回が初の訪問になります。
2017年に、青虫の館長さんが、第20回 文化庁メディア芸術祭 で功労賞を受賞されたことで、その関連の仕事に携わった知人の口から、昭和漫画館 青虫の名が出たことも何かの縁やタイミングと思い、今回は必ず時間を作って寄りたいと思っていたので、訪問出来て本当に良かったです。
8月の訪問時 昭和漫画館 青虫 の様子
漫画館の横では、可愛い動物たち(オブジェ)もお出迎え&お見送り。
昭和20年代後半から40年代前半には、今の書店にあるような本の流通経路に乗らない、貸本というシステムがあり、貸本屋は、多い時には3万件ほどあったというから驚きです。原稿料も安く、貸本専用の出版社から貸本屋さんに流通するため、大手出版社からの規制のようなものも少なく、自由な作風の作品が多く見られるようです。
当時の漫画の本当の流行を知るためには、書店と貸本屋の両方を押さえておかないと分からないくらいですが、実際、貸本が廃れていく過程で、貸本漫画家から流れて、皆さんがご存知なほど有名になった方も数多くいらっしゃるそうです。
8月の訪問時 昭和漫画館 青虫 館内の様子
数枚であれば写真を撮ってアップしても良いとの許可を頂いたので、まずは館内全体像。壮観。
公式HPの青虫館内のご案内にわかりやすい説明がありますのでご参考まで。
入館時には、館長さんがお客さんとお話をされていました。その方はリピーターで何度も遠くから来られているようでしたが、これは納得。貸本として流通してた本がメインだそうで、こうやって実際に目で見て手に取れる開架式は非常に珍しいです 。雑誌の創刊号など幾つかの小部屋にもテーマに沿ってたくさんの展示がありました。
貸本が出てきた20年代は、フルカラーのB6版ハードカバーが多く見られましたが、30年代になるとA5版サイズで1冊に4〜5人の漫画家がそれぞれの作品を載せる漫画雑誌のようなタイプのものが出て来て、貸本屋としてもその方が借り手が増えるため主流となり、あとからまた1人で1冊やハードカバーなども出てはいたそうですが、結局、40年代には貸本自体の勢いは途絶えたそうです。
漫画に良いイメージはなく、親としてもあれば捨てたいのが一般的な時代、なかなかの希少価値ですね。
カバヤキャラメルの中の文庫カードがたまると引き換えてもらえる漫画
館内を案内いただいた私の目に飛び込んできた「ハーモニカこぞう」。
え、私がブルースハープ演奏するのご存知でした?と聞き返したくなるくらいの、偶然にも、目線の高さでのこの配置。
写真にあるシリーズは、カバヤキャラメルというお菓子を買って、中に入っている文庫カードの点数を集めると引き換えてくれる漫画本で、貸本屋でも流通してなかった類の漫画のようです。どの漫画家が手がけたものかの、はっきりとした記載はなく、最後のページに記された漫画家のサインから(サインがない場合もあり)、どの漫画家のものかを想像するのも、ちょっとしたロマンを感じさせるシリーズです。
子ネコの里親を見つけたり、誘拐犯を改心させたり、子供の友情を育んだりと、なんともハーモニカという楽器の未知なる魅力を教えてくれる「ハーモニカこぞう」。物語りの所々で、カバヤキャラメルがさりげなく登場してくるところも微笑ましい、実に素敵な内容の漫画でした。
カバヤキャラメルシリーズの隣には赤本と呼ばれる漫画が並んでいまして、手塚治虫の新宝島はこの赤本漫画に属し、駄菓子屋や屋台で目立つように赤を多めに入れたものだそうです。
こんなものも
ブルースハープを演奏することをお話したあと、館長さんに教えていただいた「ハーモニカの上達法」。「中学時代一年生」の1月号第3付録とあります。
なぜかその下にハーモニカもあります。ブルースハープは1段で10穴のハーモニカで、これらとは違うタイプですが、何かこの場所に呼ばれた気がしてなりません。
自分のお土産にハガキを購入。絵柄で選びまして、なかなかのセンスを褒められました^^
館長さんには、色々ご説明やご案内をいただきありがとうございました。
館内で何度も、石森章太郎選集が目にとまりました。石ノ森章太郎の漫画を原作としたテレビドラマの「ホテル」が大好きなので、今度行くときには是非読んでみたいと思います。