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只見を巡る旅 202208  ふるさと館 田子倉

色々な施設も回ってきたので、巡る旅としてお送りします。

今回は、ふるさと館 田子倉只見町ブナセンター付属の民俗資料館で、「ただみ・ブナと川のミュージアム」と共通券になるので、同じ入場券で両施設をご覧いただけます。この時は昼過ぎには移動しないといけなかったので、ふるさと館 田子倉だけ行ってきました。

館内は写真NGだったため、外観をお届けします。
合わせて見るのがおすすめ!な施設については、自分が行ったことがあるところからピックアップしています。

ふるさと館 田子倉

【常設展示】
1階展示室 田子倉集落の生活と文化 -ふるさと館田子倉コレクション-
2階展示室 只見川流域における電源開発の歴史と人びとの生活
2階廊下  只見線の歴史

以前にもお邪魔したことがありましたが、その時とは、2階の展示室の感じが違いますかね。廊下の只見線の歴史の展示はありませんでした。どちらも2019年にそれぞれ常設展示として開設されたようです。国道側の外観も多少変わっていますね。

特別展示は写真展 皆川文弥が撮った只見線が開通した頃の只見

今回は特別展示の写真展も行われていたのでそちらもじっくり。

【特設展示 2022/8/11(木)〜11/28(月)】
2階会議室 この写真、どこ?だれ?何してる? 皆川文弥が撮った只見線が開通した頃の只見

「ふるさと館 田子倉」はもともと、田子倉ダム建設のために湖底に沈んだ旧田子倉集落から、ここに移り住んで来られた皆川文弥さんが、保管・収集されていた田子倉集落関連資料を、その息子さんがお家を改装して、私設の資料館として開館していたのが始まりです。その頃は確か不定期で、連絡してご在宅であれば見せていただくというような感じだったように思います。その後、2016年に「ふるさと館 田子倉」として開館したようです。

皆川文弥さんは役場にお勤めの頃に、福島県民俗資料緊急調査の調査員として民族調査も担当されていたらしく、特設展示にあったポスターには、東北の民俗学者の山口弥一郎さんとも、お仕事を通して交流があったように書かれてありました。こうやって人々の活動や交流の中で、その価値が認識され、後世に残されていくというのは素敵だなあと改めて感じる空間です。

ふるさと館 田子倉 こちらが入口

1階展示室 田子倉集落の生活と文化 -ふるさと館田子倉コレクション-

田子倉集落の生活と文化

田子倉集落周辺に関するさまざまな資料がありますが、とにかく狩猟関係の道具の種類が豊富にあり、それぞれが興味深いです。また、沢山のパネルを通して生き生きと語られる、猟に関わる様々な角度からのお話も面白く、と同時に、山と共に生きる人たちの姿勢が読み手に投影されて、身が引き締まる思いがするのです。

山では暗号みたいな山ことばを使うような話は聞いたことがあって、他の猟師グループ達にこちらの手を読まれないためかな、と勝手に思っていましたが、そんな俗っぽい理由ではありませんでした。山や山の恵みは、それだけ厳しくも尊く、神聖な存在でした。

合わせて見るのがおすすめ!な施設

只見町内をめぐるならこちら。

J-POWER 只見展示館 ⇄ ふるさと館 田子倉 ⇄ ただみ・モノとくらしのミュージアム

地理を度外視したチョイスなので、特に「ただみ・モノとくらしのミュージアム」は、車でない場合は難しいのですが、只見町内のこれらの施設を渡り歩くと、田子倉の歴史が深掘りできて、それぞれの展示の相乗効果で、より理解と興味が深まるのでおすすめです。

只見を巡る旅 202208  ただみ・モノとくらしのミュージアム

只見町外でもイチオシなのはこちら。千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館。

国立歴史民俗博物館 第6展示室

2010年にオープンした第6展示室(現代)には、水没前の田子倉集落を再現した、田子倉水没集落再現模型があります。模型はかなり精巧で、展示を注意深く見ていくと、田子倉地区の鎮守社の若宮八幡神社や、皆川文弥さんの家も判別できるほどのようです。

前回見に行った時はそこまでチェックしていなかったので、是非挑戦してみたいところです。国立歴史民俗博物館は他の展示も見応えたっぷりなので、お時間もたっぷり確保して行かれることをお勧めします。

2階展示室 只見川流域における電源開発の歴史と人びとの生活

只見川流域における電源開発の歴史と人びとの生活

田子倉ダムだけでなく、只見川の上流・下流のダム建設により変わっていく生態系や、変化に適応するために、大きく変わっていく人々の生活環境や文化。パネルを進み見るごとに、いろんな感情が入れ替わり立ち替わり現れて、自分達の生活を支えるエネルギーというものには、常に真剣に向き合う必要があるのだと、改めて気付かせてくれる展示です。

田子倉の人々が、当初はダム建設に反対していたわけではなかったようなお話や、田子倉ダムとはまた少し違った性格の、只見ダムや滝ダムの補償問題も簡潔に語られていて、こちらも興味深いです。

合わせて見るのがおすすめ!な施設

只見川流域のダム開発といえば、やっぱり、こちら。

J-POWER 只見展示館

2022年9月28日にリニューアルオープン。J-パワーアップ⤴︎した電源開発の「水とエネルギー」をテーマにした展示館。
VRシステムを利用した発電所見学は、バーチャルツアーのメニューも良かったですが、自分で操作して館内探索するメニューの内容が豊富なので是非お試しを。個人的には昔からファンの動くゴム堰模型。リニューアル後も健在でした、良かった。

只見線沿線繋がりでもう一つ。JR只見線「会津中川駅」下車、徒歩5分。

東北電力奥会津水力館〜みお里MIORI〜

2020年7月にオープン。水力発電とそれを生み出す奥会津地域の魅力を伝える東北電力の展示館。
開館当初は、コロナ禍で近隣の方しか行けなかったので、行けるのを楽しみにしていて、10月に実現。時間の関係で全部は回れませんでしたが、


只見町インフォメーションセンターの情報からですが、今現在、2022年11月3日〜当面の間、只見観光周遊バスの臨時運行が開始されているようです。レンタサイクルもおすすめですが、臨時観光周遊バスで、J-POWER只見展示館や田子倉展望台にも行けるようですので、この機会に是非ご利用ください。


2階廊下 只見線の歴史

只見線の歴史

2019年に新しく常設となったようです。全線開通までの約50年の歴史がズラリ。只見線全線再開通で只見に来られた際には是非、今一度その歴史に触れて、今回の全線再開通の手応えを感じてみてください。東京都荒川区あらかわ遊園内「下町都電ミニ資料館」の初代館長の伊藤信男氏の手による、キハ 40 系気動車の模型も展示しています。

合わせて見るのがおすすめ!な施設

只見線沿線繋がりで一つ。JR只見線「越後須原駅」下車、徒歩3分。

目黒邸と目黒邸資料館

平日なら南越後観光バス(小出駅前 ⇄ 須原駅角)もご利用いただけます。只見線の敷設や道路整備、水力発電といったインフラをはじめ、産業や教育の復興、文化の発展に尽力し、この魚沼地方の近代化の歴史の中で大きな役割を果たしてきた目黒家の旧住宅。目黒邸資料館では、貴重な資料とともにその足跡を辿ることができるそうです。前回訪れた時は、次の只見線の時間の関係で、資料館が見れなかったので、次回もっと時間を取って行きたいです。目黒邸の茅葺き屋根と配電盤は、一見の、いえ、何度でも見る価値あり。

只見町外でも覗いてみたくなるのはこちら。都電荒川線「荒川遊園地前」下車、徒歩3分。

あらかわ遊園 ふれあいハウス 1階 下町都電ミニ資料館

2022年4月にリニューアルした遊園地の一角にふれあいハウスはあります。小さなお子さんや親御さんが、Nゲージ運転体験やジオラマ、大きな列車の模型に熱い目を向ける中、只見町や福島県に、只見線キハ40系が寄贈された記事が貼られているのを見つけました。只見町での寄贈式の様子も。つまりは、この時の模型が、「ふるさと館 田子倉」の只見線の歴史コーナーに置かれている模型なのですね。

今後、J-POWER 只見展示館、みお里、目黒邸などの施設も、只見を巡る旅レポートに追加予定です。


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