2016年の「只見を巡る旅」で八十里越県境を訪れてから、数年が経過した2023年。
只見町公民館主催の「今しか見られない!八十里越工事区間工事進捗状況視察 体験ツアー」に参加して来ました。
この八十里越工事区間工事進捗状況視察 体験ツアーは、3つのコースがありました。今回は、長岡市内見学コースで参加!
A:海の幸 寺泊コース
B:長岡市内見学コース
C:三条市産業見学コース
今回の視察の旅でご案内いただいたのは、この国土交通省の施工区間(直轄権限代行区間)にある、4つの視察ポイント。4ヶ所停まって、三条市(しただ地区)までの約2時間の視察旅に、長岡市内見学ツアー&食事付きで、至れり尽くせりの1日旅。
① 7号橋梁&8号橋梁(平面図では⑦)
② 8号トンネル& 7号トンネルの間(平面図で⑥の辺り)
③ 5号橋梁(平面図で⑤)
④ 5号トンネル付近(平面図では④の辺り)
1989年(平成元年)度に着工された「八十里越」の事業は、およそ35年が経過し、進捗率は令和4年度末で9割を超えたそう。登山道の点線(破線)国道が直線になる日も近い!
国道289号は、新潟県新潟市から福島県いわき市を結ぶ国道です。しかし、そのうち、新潟県三条市と福島県只見町を繋ぐ、県境の19.1kmは、現在も一般車両が通行出来ない、点線(・・・)国道区間となっています。国道289号の通行不能区間となるこの「八十里越」は、司馬遼太郎の小説「峠」の舞台になったことでも知られています。
「一般国道289号(八十里越)平面図」によると、この八十里越工事区間は、延長約20.8km。福島県施工区間が約7.8km、新潟県施工区間が約1.2kmで、県境間の約11.8mが、国土交通省の施工区間(直轄権限代行区間)なのだそう。
点線を含めた、現在の国道289のラインとかなり変わってる。
「一般国道289号(八十里越)平面図」などから、視察ポイント②の手前までの、国土交通省の施工区間部分を抜粋してみた。橋梁にシェルターが被っていたりするので、前後の表記で順番を表現するのが難しいところではありますが。
トンネルや橋梁だけでなく、スノーシェルターやスノーシェッドも番号がついてて、どこが何番かを把握するのが大変ですね。
福島県施工区間の橋梁などは、名称で書いてあるようです。
トンネル / 橋梁 / シェッド /シェルター (国土交通省の施工区間) | 延長(長さ) |
---|---|
9号スノーシェッド | L=140m(H22概成) |
8号ロックシェッド | L=20m(H14概成) |
第11号トンネル | L=1,417m(H14概成) |
7号ロックシェッド | L=28m(H25概成) |
第10号トンネル | L=138m(H16概成) |
6号ロックシェッド | L=57m(H20概成) |
5号スノーシェッド | L=120m(R4概成) |
第 8号橋梁 | L=60m(H21概成) |
4号スノーシェッド | L=127m(R5概成) |
▶︎▶︎ 視察ポイント① ◀◀ | |
10号スノーシェルター | L=62m(R4概成) |
第 7号橋梁 | L=33m(H30概成) |
第 9号トンネル | L=3,168m(H24概成) |
実際の八十里越の工事進捗状況は、国土交通省 北陸地方整備局 長岡国道事務所の「PROGRESS 工事進捗状況」サイトからご覧いただけます。
>>> 長岡国道事務所の「PROGRESS 工事進捗状況」サイト
いよいよ、ツアーの出発です! 集合場所は只見公民館。
只見駅を訪れた方にはお馴染みの、かかしさん。実は、只見駅だけではありません。
こちら、只見公民館の、大勢のかかしさん達に見送られて、いざ、出発です。お見送りありがとう!
只見駅のかかしが登場するイラストはこちらをどうぞ >> 只見線にみんなで手を振ろう条例
改めまして、叶津側ゲートから、いざ!
只見公民館で乗車した時から、車内からの絵面的には、既にこの体勢です。
この辺り、トンネルや道路の状態が、2016年のそれとは確実に違う。進んでる感が伝わる景色と乗りごごち。
とにかく、こんな感じのところは、まだ無かったと思う。ただ、2016年時と同じ道なのか、工事用の道路なのか等は定かではないです。
2016年時の様子はこちらから>>只見を巡る旅 2016 八十里越県境 -ついにやってきたその瞬間-
只見を巡る旅 2016 八十里越県境 -ついにやってきたその瞬間-バスは2台あり、ガイドさんは1人です。ガイドさんは1台のバスに乗り、そのバスで説明している音声を無線でもう1台のバスに送信しているようです。
「八十里越」の事業の福島県側の工事区間を走っていると、八十里越の歴代の旧道(古・中・新道)と交わる区間があるようです。
この写真は、2016年のもの。多分、昔の道だと聞いて撮った写真だと思うのですが、けもの道のような空間を、車窓から一瞬チラ見する機会がありました。そう言えば、2016年は、登山者の一向とすれ違いました。一般登山者は今はどこまで行けるのかな。
以前のブログから、八十里越に関しての抜粋を転記。この辺りの話は、只見町河井継之助記念館で学べます。
八十里越
古道 江戸時代に使用
河井継之助のほか長岡藩一行が越えた
浅草岳登山口から沼の平までの登山道と重なるが沼の平から先は廃道
中道 明治14年~27年まで使用
すぐに廃道
新道 明治28年に開いた道
松ヶ崎・木の根峠を通る現在の峠道
新八十里?! 県境トンネル
八十里越県境の予習については、2016年のこちらの話も是非
>>只見を巡る旅 2016 八十里越県境 予習 -ついにやってくるその瞬間の前に、少しだけ-
前方に見える、長く連なる土手のようなものは、アーチカルバート(暗渠)というものらしい。トンネルを掘り進めたり、この山奥で作業を進める中で、行き場を失った岩などを砕いて積み上げたもののようです。
トンネルやシェッドが無い場合の、車窓からの景色はこんな感じ。
更に進んでいくと、車窓からも高度が増していくのを感じるように。
こちらで一旦下車。最初の視察ポイントです。
写真に見えるのが、第7号橋梁&10号スノーシェルターと、第9号トンネル。
ここまでに、トンネルは、第11号、第10号、橋梁は第8号を通ってきたらしい。
トンネル / 橋梁 / シェッド /シェルター (国土交通省の施工区間) | 延長(長さ) |
---|---|
9号スノーシェッド | L=140m(H22概成) |
8号ロックシェッド | L=20m(H14概成) |
第11号トンネル | L=1,417m(H14概成) |
7号ロックシェッド | L=28m(H25概成) |
第10号トンネル | L=138m(H16概成) |
6号ロックシェッド | L=57m(H20概成) |
5号スノーシェッド | L=120m(R4概成) |
第 8号橋梁 | L=60m(H21概成) |
4号スノーシェッド | L=127m(R5概成) |
▶︎▶︎ 視察ポイント① 今ここ ◀◀ | |
10号スノーシェルター | L=62m(R4概成) |
第 7号橋梁 | L=33m(H30概成) |
第 9号トンネル | L=3,168m(H24概成) |
長岡国道事務所の方に、現場の状況や工事の概要について説明をいただきました。
次回は、この視察ポイント①での様子をお伝えします。