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第2回 只見ユネスコエコパーク地域シンポジウム もう一つのイラスト解説 その2

Poster Illustration for Tadami Unesco Eco park symposiums in Oct 27th in 2013


Webギャラリーでのイラストの内容の解説に加えて、ブログの「もう一つのイラスト解説」では、実際のイラスト制作にあたっての出来事を綴っていきます。各イラストの内容の詳細につきましてはWebギャラリーをご参照ください。


もう一つのイラスト解説シリーズ No3
第2回 只見ユネスコエコパーク地域シンポジウム ポスターイラスト(2013年)

前回はイラスト制作についてでしたが、今回からはイラストの地形についてもう少し掘り下げます。

只見町は、福島県に位置するものの、気候は福島県というより新潟県寄りの豪雪地帯です。
只見町の位置、>>作者紹介/福島県只見町について

なぜいきなり雪の話かというと、只見だけでも4万ヘクタールにもおよぶブナの天然林主体の広大な落葉広葉樹林でさえも、この多雪がもたらす生態系を構成するパーツの一つでしかない、という、ユネスコエコパークへ繋がる壮大な物語が始まるのです。

地域シンポジウムポスター

冬から春への移り変わりを大胆な構図の地形で表現。
雪山、ブナの新緑と雪のコントラスト、ブナの峰走りと岩肌など。

只見町ブナセンターでは、2012年1〜2月にかけて、千葉県柏市で『自然首都・只見』展(パネル展示と講演)、2月25日には、福島県八重洲観光交流館の地下1階で、只見町ブナセンター東京講演を行いました。
それぞれ興味を持ってくれた友人達を誘って、両講演に参加しました。

その時伺った話をベースに、理解して噛み砕いて(いるつもりで)只見に広がる壮大な物語をお送りします。(以下の特徴の文章は自分で書いた後に、その分野を学ばれた方に少し赤ペンを入れていただきました。ありがとうございます。)

更に詳しく、そして確実な内容については、是非只見町ブナセンターを訪れてみてください。

特徴その1【雪食地形】
多雪の気候と、山の基岩の地質的な特徴から、斜面が雪崩で削り取られ、地肌がむき出しになった雪食地形と呼ばれる地形が造り出されるのですが、更に、その希有な地形が人の住む集落のすぐ裏にまで迫っているというのが、只見の地形の特徴です。

只見地域の山々は土というより岩盤が主体で、冬には雪崩によって比較的もろいその山肌が削り取られ、基岩が露出した状態(雪食地形)が作られるのですが、そのような山腹は、春になって雪が解けても、爪で引っ掻いたように岩肌がむき出しになっていたり、木々が刈り取られた禿山のように見えます。

そのような地形は例えば、北アルプスの標高何千メートル級の山々まで行かないとなかなかみられないものですが、只見町では、標高400メートル前後の人々が住む地域のすぐ後ろに、家並みと同じ風景の中に見られるというのが、他では見られない第一の特徴になります。

次回は、特徴その2【モザイク植生】についてお送りします。

もう一つのイラスト解説シリーズ No3
地域シンポジウム ポスター その1
地域シンポジウム ポスター その2
地域シンポジウム ポスター その3
地域シンポジウム ポスター その4

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