Poster Illustration for Tadami Beech Center (Spring)
Webギャラリーでのイラストの内容の解説に加えて、ブログの「もう一つのイラスト解説」では、実際のイラスト制作にあたっての出来事を綴っていきます。各イラストの内容の詳細につきましてはWebギャラリーをご参照ください。
もう一つのイラスト解説 No1
只見町ブナセンター 春版 ポスターイラスト(2013年)
只見町ブナセンター 春版 ポスターイラスト(2013年)
現在のようなスタイルになったイラスト第1作目の作品です。
それまでも自分なりに只見を歩き、イラストを描き、説明も加え、それなりに調べて分かったつもりでいましたが、実際に依頼を受け、只見の良さを体感している人々と交流していくことで、理解が深まることを学び、その理解が形に表れた初めての作品であると言えます。この作品に関わることで、現地での交流や更なるイベントへの参加など、自分の行動にも変化が現れました。イラストという概念だけでは伝えきれない思い入れのある作品です。
もう一つのイラスト解説 No1
只見町ブナセンター 春版 ポスターイラスト その1 はこちら
それでは、このイラストにたどり着くまでの経緯を少し。
雪食地形という一部分だけではイメージが湧きませんでしたが、景観や人物の配置や表現となると、一枚の写真ではできないイラストのメリットが発揮されるところかもしれません。
が、只見の一般的な風景を題材に進めようと方向性が固まってからも、実はこのポスターイラストの陰に隠れ、日の目を見なかったキャラクターたちが存在したのです。
当初、雪食地形・モザイク植生を中心に、地形・環境が分かりやすいものということで、3つのイラスト案がありました。
1.雪食地形
冬から春への移り変わりを大胆な構図の地形で表現。
雪山、ブナの新緑と雪のコントラスト、ブナの峰走りと岩肌など。
2.雪食地形2
パターン植生を連想するパズルのような個々のキャラクターのブロックを配置し、
只見の自然の特徴となる雪食地形や水辺林など、山から川への継続した植生を表現。
3.雄大な自然との共存
人とその営みを画面中央に配置し、
上下を広くとる構図で、雄大な自然を表現。
1は、のちに他のポスターに採用になるのですが、それについてはまた別の機会にお伝えしようと思います。
2は、苦労して絞り出した感がひしひしと伝わるブナセンター向けとは言い難い案ではありましたが、この大雑把なラフ画から、自分のイメージしているパターン植生イラスト化にもっと近づけられたら、別の形でイラストにしたいと今これを書いていて思いました。
3が採用頂いたイラストのラフ画です。自分が参考にするイメージ的には左のラフ画で十分なのですが、一応、参考案提出のために右のラフ画まで描き込みました。後にも先にもここまで描き込むのはこれだけかもしれません。
ラフを元にイラストレーターというソフトを使ってパソコンで描いたものは、線の感じを変えたり、空に雲を加えたり、田んぼに映る景色の具合を調整したりと提出前には試行錯誤しましたが、出したイラストがほぼそのまま今のポスター画になっています。
次回の「もう一つのイラスト解説 No1 その3」では、そのポスターの構図について少し書こうと思います。
もう一つのイラスト解説 シリーズ No1
只見町ブナセンター 春版 その1
只見町ブナセンター 春版 その2
只見町ブナセンター 春版 その3
イラスト解説(英語)
Poster Illustration for Tadami Beech Center (Spring)